ようこそ!胡桃丸のお部屋へ!!
何となくタブレットをいじっていたら、
【おじさんは、なぜ、仕事で“野球たとえ”を連発するのか…日本語学者に聞く】という日刊SPA!の記事が目に入り「うぅ〜〜ん」と思わず唸ってしまいました。
昭和世代のおじさんとしては気になって読んでしまいましたが、いまいちピンときません。
おじさんと若者の比喩表現(たとえ)にそれほどの違いがあるのでしょうか?
過去の記憶もたどりながら、そのへんの言葉遣いについて考えてみました。
最初にお断りしておきますが、この記事は日刊SPA!の記事内容を批判するものではありませんし要約でもありません。わたしが抱いた素朴な感想と思っていただけると幸いです。
「肩出来上がってたね!」って言うか?
日刊SPA!の記事ではこんなエピソードが紹介されています。
筆者が参加したとある会議後の一幕。しっかりした資料をつくり、言い回しなども練習してきたことがうかがえる素晴らしいプレゼンをしたZ世代の女性に対し、50代の男性上司が「肩出来上がってたね!」と褒めていた。30代の私にはすぐに理解できたのだが、女性には「?」が浮かび、褒められていることさえも伝わっていない様子。
2022年8月3日 日刊SPA!
わたしは昭和生まれの40代ですが、突然「肩出来上がってたね!」と言われたら、やはり「?」となってしまうはずです。
わたしが言葉に鈍感なのでしょうか?(-。-;
いやもっと昔、20年も前だったら「肩出来上がってたね!」という言葉が何を意図しているのかすぐにわかったと思うのですが、今同じことを言われても瞬時に理解できないと思います。
その場を離れてしばらくしてから「あー!」と思うことはあるかもしれませんが。
「肩出来上がってたね」っていわゆる「死語」じゃないのでしょうか。
みなさんの周りで今でも「肩出来上がってたね」という言葉を使われる方はいらっしゃいますか?
全く言葉の意図が通じなかったエピソードの女性と、後からでも「あー!」と思えるわたしとではまるで違うのかもしれませんが、意思疎通ができない点では同じです。
わたしも長い間サラリーマンをやっていますので、仕事ではいろんなタイプの方々とお付き合いさせていただきました。
思い返せば、わたしがまだ20代の頃の上司は『野球たとえ』をよく使っていたような気がします。
「ナイス!」、「アウト!」、「セーフ!」なんて言葉はよく耳にしましたし、「肩温めとけよ!」なんて言われた記憶がありますね。
だけど、いつの頃かは忘れましたが、こういった『野球たとえ』って身の回りから消えてしまった気がします。もちろん意識しているわけではありませんが、もう長いこと聞いていません。
若者のゲーム比喩
日刊SPA!の記事では、『おじさんの野球たとえ』と対照に『若者のゲーム比喩』についても書かれていました。
ゲームの中でも特にRPGなのだそうです。
RPGといえば、わたしはドラクエ、XANADU(ザナドゥ)、Ultima(ウルティマ)ご存じですか?、などの世代でかなりやり込んだ記憶があります。
「ラスボス」、「経験値」、「ヒットポイント」、「マジックポイント」などの言葉は馴染みがあり、友人との会話でもよく使っていましたし、「ラスボス」、「経験値」などは今でも日常的に使います。
会社の会議で終了間際になると、必ず何か方針転換が必要になる類の発言をする困った上司がいるのですが、あだ名は「ラスボス」です。
ラスボスに反撃できずコテンパンにやられて、ヒットポイント下がりまくりで会議室を出て、自販機で買った癒しのポーションでライフゲージ(ヒットポイント)を少しだけ回復させます。
で、何度もそういう経験を積むことで経験値が上がり、少しづつですがレベルアップしてきました。
こんなふうに普段何気なくゲーム言葉を使っているので、それが若者特有の比喩表現だとは思えません。
使う言葉の背景は
日常的にどんな言葉を使うのか、使いやすいのかは、その言葉を使う人がいる環境によるところが大きいのではないかと思います。
生まれた時代背景の影響があるのは納得できますが、むしろ、周囲で使われている言葉や言い回しに大きな影響を受けるのではないでしょうか。
わたしも関西圏に出かけると、帰ってきてからしばらくの間は言葉のイントネーションがいつもと違う感じになりますし、今まで引っ越した土地の言葉に引っ張られたことも少なくありません。
それはイントネーションや単語だけでなく、比喩表現にも言えるのだと思います。
もしかしたら、たまたま現在のわたしの周りには『野球たとえ』を使う方がいないだけなのかもしれません。
『野球たとえ』も周囲に使う人がいなければ、耳に入りませんし自然に消えていく表現なのかなと思います。
もしかしたら「肩出来上がってたね!」とおっしゃった方は、同世代の野球好きな同僚に囲まれて幸せなサラリーマン人生を送られているのかもしれませんね。
だとしたら、本当にうらやましい。
わたしは自分のサラリーマン人生に不満だらけなのですから。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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