国葬とは?、国民葬とは?、2つの違いについて解説

参院選の遊説中に亡くなられた安倍元首相の国葬が秋に営まれると報道されていますが、『国葬』と同じような言葉として『国民葬』があります。あまり馴染みがないのでピンときませんよね。そこでこの記事では『国葬』とは?『国民葬』とは?『国葬』と『国民葬』の違いは?について解説します。

目次

国葬とは?

国葬(こくそう)とは、国家に功労のあった人(君主皇族王族政治家軍人学者芸術家宗教家、環境保護活動家など)の死に際し、国家の儀式として、国費をもって行われる葬儀のことである。

出典:Wikipedia

国葬とは、簡単に言うと、政府が主催し、全額国費で行われる葬儀のことです。

戦前は伊藤博文元首相の国葬が行われましたが、戦後は1967年の吉田茂元首相の1例のみです。

他に首相経験者の葬儀に内閣が関わった事例はありますが、いずれも自民党や衆議院との合同葬で執り行われています。

国民葬とは?

国民信望のあった人のにあたって、多数の国民がその人の死をいたみ、また、その告別式に参列する葬儀。〔大増補改版新らしい言葉の字引(1925)〕

出典:コトバンク  

国民葬は国に対して功績を残した人に、国の儀式という名目で国費を使って行われる葬儀です。

前例としては、戦前に内閣総理大臣の大隈重信に対して行われています。

また戦後であれば、内閣総理大臣だった佐藤栄作も国民葬を行っています。

国民葬の事例はこの2例のみです。

国葬と国民葬の違いは?

『国葬』と『国民葬』は言葉は類似していますが、この2つの違いは何でしょうか?

国葬と国民葬は、費用の負担について違いがあります。

国葬は「全額国費で行われる儀式」であるのに対し、

国民葬は「費用の大部分は国費で賄われますが、一部の費用を親族が負担」します。

費用面以外の点で国葬と国民葬に違いはなく、国家への貢献度も明確な基準はありません。

太平洋戦争後には国葬法が廃止となり、吉田茂元首相の1例のみが特例として執り行われています。

国葬は葬儀費用のすべてが支給されるので、法的な根拠が必要です。

そして根拠により誰が選ばれるのか?という部分も大きく影響します。

吉田茂元首相の葬儀の際には、葬儀副委員長であった塚原俊郎総務長官(当時)のこんなコメントが残されています。

「根拠になる法律もなく苦労した」

出典:毎日新聞

現在では、天皇の国事行為の大喪の礼を除いて、国葬も国民葬も執り行われていません。

大喪の礼(たいそうのれい)は、日本天皇又は上皇国葬であり、国事行為たる皇室儀礼

出典:Wikipedia

まとめ

いかがでしたか。この記事では『国葬』と『国民葬』の違いについて解説しました。

少しでも皆様の疑問解決のお役に立てたら幸いです。

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